■
……それから、数十分が経過しただろうか。
陸
「嘘だろ……」
椎名
「ふふんっ。わたしに掛かれば、ざっとこんなものよ♪」
さっきまで賑やかだった砂浜が、人っ子一人いない状態になってしまった。
椎名
「人目が気になるなら、人払いをすればいいだけのことでしょ?」
陸
「でしょ? じゃねーよ! 完全に金持ち限定の発想だよそれ!」
椎名
「お金で横車を押すのが我が家のやり方よ! 全員に納得するだけのお金を支払ったわ、何か物言いあって?」
言い切りやがった……時々、男らしいことするよな椎名って。
椎名
「女のわたしが、これだけの覚悟を決めたのよ」
そう言って、椎名が俺との距離を一気に詰めてきて……
椎名
「菱川、男のあなたは、どうするの?」
陸
「っ……!」
ほんのりと染まった頬に、どういうわけか潤んで見える瞳と唇。
そこから僅かに視線を下ろすと、そこには水着から溢れんばかりの豊満なボディが……
あ、やばい。この距離はやばい。
椎名
「ど、どうなの菱川……その……私とそういうこと……」
そ、そこで恥らうなよぉ! いつもとギャップ見せすぎだお前!!
陸
「い、いいんだな? 椎名!? やるぞ? 本当にやっちまうぞ!?」
椎名
「え、ええ……優しく、して……」
陸
「っ……!!!」
ここまでされて、もう我慢なんか……
陸
「そ、そこまで言うなら……やったるわぁああああああああああああああああっ!!!!!」
椎名
「ひぁああっ!?」
ドサッ!
椎名
「っ……!!」
陸
「……っ!!!」
恥じらう椎名の表情を目の当たりにして、思わず息を飲んでしまった。
さっきから……いや以前からずっと、分かってた事だが……
椎名
「ひ、菱川、顔が近い……」
陸
「っ……!」
って、こんなに胸デカかったのか……!?
間近で見ると、その魅力が何十倍にも感じられてしまう……!
椎名
「ど、どうしたのよ……この後に及んで、まだ覚悟が定まらないのかしら?」
陸
「…………」
やべえ……
これやべえ。
椎名
「えっと……その……ひ、菱川……?」
ビキニに収まりきらない程の巨乳……キュッとくびれたウエストに、肉付きの良い太ももっ……!
これだけスタイルの良い女子がすぐ傍にいて……俺は今まで、何とも思わないように努めていたが……正直今は我慢できないかもしれない。
椎名
「ふ、ふん……自分から押し倒したくせに、き、緊張してるのかしら?」
あくまでも強気な口調で、俺を煽ってくる椎名だが……
さっきよりもずっと顔が赤く、身体が震えているのを見ると……それが強がりだと言う事が丸わかりだ……
陸
「椎名……」
椎名
「な、なによっ……?」
その強がりが……余計に俺を興奮させる!
陸
「その、脱がすぞ……?」
椎名
「や、やれるものなら、やって――ひゃぁあっ!?」
陸
「っ……!!!」
水着に締め付けられていた胸が、ぷるんと弾けて露わになり……
椎名
「あ、あっ……あぁっ……!!」
そんな状況を理解した椎名の顔が、耳まで真っ赤になっていく。
って、これ……すげぇええええっ……!!
やらしいビデオや本でしか拝んだことのないような、たわわに実ったおっぱい。
それが今、俺の目の前でっ……太陽の下に晒され、ふるふると震えていらっしゃる……!!
椎名
「うっ……うぅっ……」
椎名は恥じらいの表情を浮かべながら、決して胸を手で隠そうとはしない。
そんな椎名が、軽く身を捩るだけで……二つの大きな膨らみが、ぷるんと揺れて……
陸
「くっ……!!」
こんな光景を見せつけられて……我慢出来る男なんて、この世にいるわけが……!!
椎名
「どっ……ど、どうしたのよっ……さっきからずっと、眺めてるだけでっ……ぜ、全然、手を出してこないじゃないっ……」
陸
「ああ……悪い見とれてたわ」
椎名
「っ……!」
陸
「お前って……すげえ……綺麗だったんだな……」
椎名
「な………!!!」
椎名
「そ、そんな事言って、私を口説き落とそうなんて百年早いわよ!」
こうやって話している今も、丸出しになった椎名の胸が圧倒的な存在感を放っている
椎名
「き、綺麗だなんていわれても……そ、そんな安い言葉で靡くほど、私は軽い女じゃないんだから、その……」
陸
「……悪い、椎名」
椎名
「えっ……? べ、別に、謝らなくても――」
陸
「俺、もう我慢出来ねえ」
椎名
「えっ、え、ええっ!?」