宮子

「ごめんなさいお母さん、私はもうダメかもしれません。先立つ不幸をお許しください」

強盗

「やかましい! 大人しくしろと言ってるだろおっ!!」

ドカッ!

宮子

「っ……!!」

「……!!」

まずい!

お客の体が吹っ飛ばされて、こちらに向かって倒れた。

俺は介抱しようと近づき、支え起こす。

「お客様、大丈夫ですか!?」

宮子

「うん……あ、ありがと……」

「……!!!」

鈴穂

「あ……!!」

霧緒

「あ……あの子……」

その時、俺は自分が大いなる流れの中にいると感じた。

そう、これは運命。

宮子

「えっと……、あの……」

俺は出会ってしまったのだ。この人に。

「……!」

宮子

「ど、どうかしたの?」

「結婚してださい!」

椎名

「は……?」

鈴穂

「おう……」

霧緒

「そーくるか……」

「結婚してください、無理なら付き合ってください!」

強盗

「お、お前、この状況がわかってるのかあ!」

宮子

「そうよ、相手が銃持ってるのよ、銃! ライフル! あれ見えてる?」

「今の俺には、あなたしか見えないんだ、美空!」

宮子

「美空って誰よ! 私の名前は宮子、≪相場宮子/あいばみやこ≫って言うの!」

「宮子……いい名前だ……」