第2回 -由良ちゃんのひみつ編-
- 【静樹】
- 「女装山脈紹介コーナー、はっじまるよ~~!」
- 【由良】
- 「…………で?」
- 【静樹】
- 「由良ちゃんノリ悪い! そこは、「わぁい!」で統一しなきゃいけないんだよ」
- 【由良】
- 「なんで? 伝統なのそれ?」
- 【静樹】
- 「芸能界が朝昼晩、「おはようございます」で統一するのと同じ理屈だよ。同じ女装っ娘なのにわかんないかな」
- 【由良】
- 「わかんないわよ。勝手にそっちの世界に組み入れるのはやめてよね。私の女装は村のしきたりに従ってるだけなんだから」
- 【静樹】
- 「そっか、由良ちゃんは女装がいやなんだよね」
- 【由良】
- 「当たり前でしょ。史緒がうるさく言うから仕方なしにやってるの。好きでやってるあなた達とは違うんだから」
- 【静樹】
- 「スカートはいたり、髪飾りつけたほうが可愛いのに。綺麗になりたいと思うのは、いけないことなのかな?」
- 【由良】
- 「いいこと静樹。その常識はこの村でしか通用しないのよ。普通の男はスカートなんてはかなくて、車や女の子が大好きで、運動部の部室はエロ本と汚れた下着が山積みになってるものなのよ」
- 【静樹】
- 「汗臭そう。男の子ってなんかやだ」
- 【由良】
- 「だから、あなたも男の子なのよ本当は」
- 【静樹】
- 「男の子じゃなくて、男の娘だよ。この世には男と女と男の娘っていう三種類の人間がいるんだって。ボクはかわいいから男の娘だね♪」
- 【由良】
- 「本気で、男と男の娘で子供が生まれると思ってるの?」
- 【静樹】
- 「確かこう……わき腹のあたりに妊娠できる器官があるとか」
- 【由良】
- 「どこの宇宙人よ! そんなの、普通の人間にあるわけないじゃない」
- 【静樹】
- 「嘘だ~! 男の娘でも子供が出来るって、史ちゃん言ってたよ」
- 【由良】
- 「…………」
- 【静樹】
- 「痛い痛い! 無言でデコピンしないでよ。由良ちゃんのいじめっ子!」
- 【由良】
- 「はあ……ちょっとスッとした」
- 【静樹】
- 「もう、ボクのおでこに八つ当たりするの、やめてくれないかな」
- 【由良】
- 「あの男が来てから、こっちはずっとイライラしっぱなしなのよ」
- 【静樹】
- 「あの男って行人君のこと? 行人君は一緒に遊んでくれるし、いい人だよ」
- 【由良】
- 「いい人かどうかは問題じゃないの。要はあいつが節操のない男で、史緒や静樹が意識してるのが問題なのよ。このままだと、私にも子供つくれとかふざけたこと言ってきそうだわ」
- 【静樹】
- 「ふ~~ん、それじゃ、自分に関わらなければ、基本的にボクが行人君と仲良くしてても、由良ちゃんは平気なんだね」
- 【由良】
- 「私がここに居るのって夏の間だけだから。その後で好きなだけイチャつけばいいのよ」
- 【静樹】
- 「でも、由良ちゃんって素直になれない男の娘って感じがするんだよね」
- 【由良】
- 「なんですって……?」
- 【静樹】
- 「行人君のことが好きになっちゃっても、プライドが邪魔して自分の気持ちを伝えられない……そんな気がするんだよね♪」
- 【由良】
- 「何よそのツンデレ、勝手に人の未来を組み立てないでくれる?」
- 【静樹】
- 「それじゃ、行人君とキスしたり、裸で抱き合ったり、顔を真っ赤にしておねだりなんてこと絶対にしないの?」
- 【由良】
- 「絶対にないわ。ありえない話よそれは」
- 【静樹】
- 「そっか、由良ちゃんは、基本ツンツンだね。行人君も苦労しそうだね」
- 【由良】
- 「まあ、私のルートなんてあるわけないわ。もし、そんな物好きがいたら、後悔するほど責め狂わせてあげる」
- 【静樹】
- 「由良ちゃん、それは特定の層の大好物だよ」
- 【由良】
- 「マゾ豚なんかには用はないわ。一生地面にはいつくばってなさい」
- 【静樹】
- 「はい、由良ちゃんからのご褒美がでたところで、今回はここまでだよ。次回はいよいよボクの紹介をするからね。バイバーイ!」